病に苦しみ、命を落とした少年・エンドは死霊魔術師【ネクロマンサー】の力により、最下級・不死者(アンデッド)となる。 生前より自由な肉体を手に入れたと歓喜するエンド。 「--生きたい」 純粋だったはずの少年のただ1つの願いは、不死者(アンデット)となったことで叶う。しかしその心は歪んでいき、 最弱のアンデッド vs 最凶のネクロマンサー vs 最強の終焉騎士団の三つ巴の戦いへと発展していく……。 3勢力の策謀が絡み合う複雑な構成で「小説家になろう」で話題を呼んだダークファンタジーが、ついにコミカライズ! !

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15歳未満の方は 移動 してください。 この作品には 〔残酷描写〕 が含まれています。 昏き宮殿の死者の王【Web版】 ※2019/11/30、エンターブレイン(ファミ通文庫)より書籍版一巻発売です! 書籍版は全般的に加筆修正されている他、巻末書き下ろし短編としてWebでは語られなかったルウに関する短編と、屋敷の中のエンドの行動秘話の短編、計二本が収録されています。よろしくおねがいします! 漫画版もComicWalkerなどなどで連載中です!

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熊が苦痛の悲鳴を上げ、倒れ伏す。それに向かって僕はただただ力の限り鉈を振り下ろした。 加減もわからず振り下ろされた刃は熊の分厚い毛皮を裂き、肉を刻んだ。血が飛び散るが、僕の手は止まらない。 身体は勝手に動いている。僕はその自分の状況を、一歩引いたところから認識する事ができた。 飛び散った血が顔に、目に付着する。だが、痛みはない。いや、そもそも――僕に痛覚があったのならば、僕の身体には今、凄まじい激痛が奔っていたはずだ。 僕の腕は細い。ろくに物など持ったことがないし、剣だって振ったことがない。そんな僕の細腕で野生の獣の分厚い皮を、肉を裂くことができるだろうか? ろくに食事を取っていなかった僕の顎で、一部とは言え、魔獣の肉を噛み千切れるだろうか?

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最弱のアンデッド vs 最凶のネクロマンサー vs 最強の終焉騎士団 病に苦しみ、命を落とした少年が再び目覚めた時――彼は邪悪な死霊魔術師【ネクロマンサー】の力により、最下級アンデッドとなっていた。 念願の自由な肉体を手に入れ歓喜する少年エンドだが、すぐに自らを支配するものが病から死霊魔術師に代わっただけであるという事実に気づく。 彼は真の自由を勝ち取るために死霊魔術師と戦うことを決意するも、闇に属する者をどこまでも追い詰め、滅する事に命を賭ける終焉騎士団もまた彼の前に立ち塞がり……!?

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「は、はぁ……? 白き子犬の王……?

しかも釘が出ていて身体に刺さってる。 もみくちゃになってぶつかる華奢な骨。柔らかい肉。長い髪の毛が頬を擽る。ミレーレは一瞬、僕の心音を聞くかのようにぴたりと耳を胸元に当てると、すぐに目の前に首筋を差し出し甘えるような声で言った。 「愛しい兄様、お礼に棺桶と私をプレゼント! 私の血をどうぞ!」 本当に、一体誰に似たんだろう。そんなはしたない子に育てた覚えはないぞ! 僕はセンリ一筋なのだ。浮気はしない。 ミレーレがもぞもぞと身体をなすりつけ、恥ずかしそうな声で言う。 「兄様、えっち!」 「!? それ冤罪だろ! 昏き宮殿の死者の王 カクヨム. 誰が服を着せたと思ってるんだ!」 ずっと、戦っている時の凛々しいミレーレのままでいて欲しい。 このままでは…………押し切られそうだ。だめだよ。いくら吸血鬼だからって、それはだめだ。 …………センリはミレーレを見習うこと! 手製の棺桶と私とか、素晴らしいプレゼント過ぎる。 「ただいま、戻りました。エンド様」 と、そこでタイミングよく偵察に出していたモニカが戻ってきた。 飛べる上に昼間でも動け、多少弱いが魅了の力まで使えるモニカは戦いと匂いを嗅ぐことしかできないオリヴァーよりも役に立つメンバーだ(戦いと匂いを嗅ぐのは僕でもできる)。 モニカの帰還を知り、ミレーレの表情があからさまに歪む。どうやらミレーレはモニカが余り好きじゃないらしい。 ぎゅっと抱きついてくるミレーレの背に腕を回し起き上がると、モニカを見る。 昼夜問わず飛んできたのか、モニカはボロボロだった。悪魔の耐久は人を遥かに超えているが吸血鬼よりは明確に劣る。 目の下には隈ができ、髪もぼさぼさだ。成果がなくても怒らないようにしよう。 咳払いをして早速報告を聞く。 「よくぞ帰ってきた、モニカ。なにか進展はあったか?」 「…………エンド様。今更取り繕っても無駄です」 モニカはまるで頭痛を抑えるかのように頭に手を当てると、疲れたような声で報告を始めた。

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