“時間”の再解釈:天才カルロ・ロヴェッリが指南する“クオンタムネイティヴ”へのマインドセット | Wired.Jp
時間は存在しない解説 この世界はどんな構造をしているのか?カルロ・ロヴェッリ著『時間は存在しない』をニュアンスで解説します。 - Youtube
ANSWER_4: わたしたち全員が、すでに複数存在するリアリティのなかで生きています。なぜなら、わたしたちの世界の見方はそれぞれ異なっているからです。これまでも人間は、たとえ考え方や世界観が違っても一緒に生活を続けてきました。実際、一人ひとり違うことこそが、ともに生きる上での素晴らしい点です。みんながみんな同じ見方をしたら、本当につまらない世界になってしまいますから! 「わたしたち全員が、すでに複数存在するリアリティのなかで生きています」とロヴェッリは言う。PHOTOGRAPHS BY JIRO KONAMI 未来をどう構想するか(After Anthropocene) QUESTION_5: 未来を学び、構想し、選び取り、ツールを手にし、動きだす一連の行動を"FUTURES LITERACY"とするときに、ぼくたちはそれをどうすれば手にすることができるでしょう。著書『 時間は存在しない 』に書かれたように、「過去」や「未来」といったものが、もともと世界に内在するわけではなく、自分という存在自体がつくり出すものでしかないとすれば、わたしたちはどうやって独りよがりではない「未来」を考えることができるでしょうか? ANSWER_5: 人間は、時間的視点のなかで生きざるをえません。なぜなら、人間という存在そのものが、時間的視点によってつくられたものだからです。わたしたちのマインドは時間のなかで生じる"現象"であり、時間の間隔というものがなければ、思考も存在しません。 一方で、わたしたちの視点がいかに人為的で先入観にとらわれたものであるか、知っておく必要があります。現実は、わたしたちが直感によって得たその近似値よりもはるかに複雑だからです。だから、いまいちばん大切なFUTURES LITERACYは、幅広い文化を構成するあらゆる要素を集約し、整然とさせる能力だと思います。単一の視点で先走らないことが大切なのです。 QUESTION_6: 時間を生み出すものが人間の意識であるとすれば、「意識とは何か」という人類の難問について、次の10年で答えは得られるでしょうか。それには、どんな 科学 的、あるいは哲学的アプローチが有望でしょうか? ANSWER_6: 間違いなく神経科学的アプローチでしょうね。この点について、量子論はあまり関係ないと思います。わたしたちは、"意識"とは何かを身振り手振りで表現しようとし、「直感的に明らかだ」と言ったりしますが、いまだにはっきりと定義できていません。意識の問題は、わたしたちが間違った方法で定式化しようとしていることに気が付くことで理解できるでしょう。 QUESTION_7: 生物学者のヤーコプ・フォン・ユクスキュルが提唱した「環世界」のように、人間だけでなくあらゆる動植物や地球(ガイア)もそれぞれ独自の時間や空間のなかに生きているとしたら、人間中心主義といわれる現代に、人間の視点や人間中心の世界を超えて未来を構想することはどうやって可能になるでしょうか?
類推と空想 「飛ぶ本」の内容は?