アスタータ50
アスタータ50の惑星委員会ビルには既に誰もおらず、不思議な光を放つ球体だけが
残されていた。地球に現れた弥勒やポセイドン神は実体ではなく、球体に生じた
座標の道を通じて映し出されていたものだとイエスは言う。
阿修羅は全てを悟った。神の愛や救済など初めから与えられていなかった。ヘリオ・
セス・ベータ型開発とは、破壊と消滅を目的とした開発だった、と。
153 :百億の昼と千億の夜-4 :04/02/29 22:00 ID:??? 17. 【読んだどー】光瀬龍『百億の昼と千億の夜』: 音楽・KDM・意識・BLOG. 幻の軍勢
「シ」と惑星開発委員会は文明の発展、知的生命の進化を疎んじ、取り除こうと考えた。
そこで「神」を用いて滅亡の必然性を内包させた。それこそがヘリオ・セス・ベータ型開発で、
実験はおおむね成功し、阿修羅たちだけが失敗作として生き長らえたのだ。
「シ」の企みに気づいた阿修羅の前に、永劫の門のかなたから弥勒の影が現れる。
弥勒は阿修羅たちに使命を与えた者がいるはずだと言い、心理攻撃をかけてその名を
聞き出そうとする。心理攻撃に耐え、球体から光が消えると弥勒は一時去った。
オリオナエがかつて聞いた〝宗主〟の声、阿修羅、シッタータ、ユダに使命を与えたの
は誰なのか。
18. 遠い道
弥勒に反する存在、悪の神、夜の神として、阿修羅たちは使命を受けた。しかし世界の
破滅をとどめることはできなかった。
オリオナエは球体を組み替えて、神のすみか、座標に通じる門を作る。オリハル
コンの枠組みに<ディラックの海>のマイナスエネルギーが流れ込み、新しい道を作る
装置。門をくぐった三人は虚数世界に迷いこんでしまう。オリハルコンのかけらがない今、
脱出に失敗すればディラックの海――完全な無に還元される。
三人の力をあわせれば少なくとも一人は助かるはずだ。三人は再び門をくぐった。
終. 百億の昼と千億の夜
一人座標に抜けた阿修羅は、転輪王の声を聞く。転輪王は超越者「シ」が宇宙
を作りかえるのを見ながら、ひそかに戦っていた。阿修羅は転輪王の意識をかいまみる。
大いなる変転であり、世界を内包する転輪王。しかしそこには転輪王の力も及ばない、
さらなる超越者が存在していた。
無限の外に無限があり、世界が永遠に続くのなら、戦いはいつ終わるのか。
新たなる百億と千億の日々が待っている。
阿修羅は再び歩き出した。
了
【読んだどー】光瀬龍『百億の昼と千億の夜』: 音楽・Kdm・意識・Blog
人の生きる意味は何か? 宗教や伝説は何を意味するのか? 私が凡人のためか、理解しようのない部分が多すぎる。
「シ」とは?「惑星開発委員会」とは何か? 結局わからないまま終わっている。
「火の鳥」と比較するからいけないもかもしれない。
だが手塚は壮大なロマンを消化できるよう描いてくれた。
それだけにこの作品は何かが足りない。
そのうち小説を読んでもう一度理解するための努力が必要。
それまでベースになる比較宗教論を学ぶ時間が欲しい。
追記
なぜ、今になってこの漫画を読むことになったのか。
それは、以下の本がきっかけ。
「百億の星と千億の生命」
読書というものはタイミングだ。
カール・セーガン氏もびっくりのきっかけ。
どこに潜んでいるかわからない。
光瀬龍という作家についても解説が必要かもしれない。
ある年代の人にとって彼はなじみの深い作家。
「夕ばえ作戦」「北北東を警戒せよ」「暁はただ銀色」
「作戦NACL」「SOSタイムパトロール」などは小学生の時に読んだ。
この間、図書館で「作戦NACL」を見つけた時、とても懐かしかった。
しかも真新しいハードカバー! だが彼は単に「子ども相手の作家」で終わらなかった。
「ロン先生の虫眼鏡」は共通一次試験に出題されたこともある。
この試験、今で言う大学入試センター試験のことだ。 ***********************
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百億の昼と千億の夜
商品詳細
著者
光瀬 龍
ISBN
9784150310004
日本SFの金字塔
西方の辺境の村にて「アトランティス王国滅亡の原因はこの世の外にある」と知らされた哲学者プラトンは、いまだ一度も感じたことのなかった不思議な緊張と不安を覚えた……プラトン、悉達多、ナザレのイエス、そして阿修羅王は、世界が創世から滅亡へと向かう、万物の流転と悠久の時の流れの中でいかなる役割を果たしたのか?――壮大な時空間を舞台に、この宇宙を統べる「神」を追い求めた日本SFの金字塔。解説=押井守 021000
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