まとめ 以上がジョルダン標準形です。ぜひ参考にして頂ければと思います。

両辺を列ベクトルに分けると …(3) …(3') そこで,任意の(ただし,後で求まるベクトル とは1次独立でなければならない)ベクトル を選び,(3)で定まる を求めると固有ベクトルになって(2)を満たしているので,これと独立にもう1つ固有ベクトル を定めるとよい. 例えば, とおくと, となる. (1')は次の形に書ける と1次独立となるように を選ぶと, このとき, について, だから は正則になる. 変換行列は解き方①と同じではないが,n乗の計算を同様に行うと,結果は同じになる 【例題2. 2】 次の行列のジョルダン標準形を求めください. (略解:解き方③) 固有方程式は三重解 をもつ これに対応する固有ベクトルを求める これを満たすベクトルは独立に2つ選べる これらと独立にもう1つベクトル を定めるために となるベクトル を求める. 正則な変換行列 として 【例題2. 3】 次の行列のジョルダン標準形を求めて,n乗を計算してくださいください. (三重解) 次の形でジョルダン標準形を求める 正則な変換行列は3つの1次独立なベクトルを束にしたものとする 次の順に決める:任意の(ただし,後で求まるベクトル とは1次独立でなければならない)ベクトル を選び,(3')で定まる を求める.さらに(2')で を定める:(1')は成り立つ. 例えば となる. 以上がジョルダン標準形である n乗は次の公式を使って求める 【例題2. 4】 変換行列を求める. 任意のベクトル (ただし,後で求まるベクトル とは1次独立でなければならない)を選び となる を求めて,この作業を繰り返す. 例えば,次のように定まる. …(#1) により さらに …(#2) なお …(#3) (#1)は …(#1') を表している. (#2)は …(#2') (#3)は …(#3') (#1')(#2')(#3')より変換行列を によって作ると (右辺のジョルダン標準形において,1列目の は単独,2列目,3列目の の上には1が付く) に対して,変換行列 ○===高卒~大学数学基礎メニューに戻る... (PC版)メニューに戻る

ジョルダン標準形の意義 それでは、このジョルダン標準形にはどのような意義があるのでしょうか。それは以下の通りです。 ジョルダン標準形の意義 固有値と固有ベクトルが確認しやすくなる。 対角行列と同じようにべき乗の計算ができるようになる。 それぞれ解説します。 2. 1.

2. 1 対角化はできないがそれに近い形にできる場合 行列の固有値が重解になる場合などにおいて,対角化できない場合でも,次のように対角成分の1つ上の成分を1にした形を利用すると累乗の計算ができる. 【例2. 1】 2. 2 ジョルダン標準形の求め方(実際の計算) 【例題2. 1】 (1) 次の行列 のジョルダン標準形を求めてください. 固有方程式を解いて固有値を求める (重解) のとき [以下の解き方①] となる と1次独立なベクトル を求める. いきなり,そんな話がなぜ言えるのか疑問に思うかもしれない. 実は,この段階では となる行列 があるとは証明できていないが「求まったらいいのにな!」と考えて,その条件を調べている--方程式として解いているだけ.「もしこのような行列 があれば右辺がジョルダン標準形になるから」対角化できなくてもn乗が計算できるから嬉しいのである.(実際には,必ず求まる!) 両辺の成分を比較すると だから, …(*A)が必要十分条件 これにより (参考) この後,次のように変形すれば問題の行列Aのn乗が計算できる. [以下の解き方②] と1次独立な( が1次独立ならば行列 は正則になり,逆行列が求まるが,そうでなければ逆行列は求まらない)ベクトル 条件(*A)を満たせばよいから,必ずしも でなくてもよい.ここでは,他のベクトルでも同じ結果が得られることを示してみる. 1つの固有ベクトルとして, を使うと この結果は①の結果と一致する [以下の解き方③] 線形代数の教科書,参考書には,次のように書かれていることがある. 行列 の固有値が (重解)で,これに対応する固有ベクトルが のとき, と1次独立なベクトル は,次の計算によって求められる. これらの式の意味は次のようになっている (1)は固有値が で,これに対応する固有ベクトルが であることから を移項すれば として(1)得られる. これに対して,(2)は次のように分けて考えると を表していることが分かる. を列ベクトルに分けると が(1)を表しており が(2)を表している. (2)は であるから と書ける.要するに(1)を満たす固有ベクトルを求めてそれを として,次に を満たす を求めるという流れになる. 以上のことは行列とベクトルで書かれているので,必ずしも分かり易いとは言えないが,解き方①において ・・・そのような があったらいいのにな~[対角成分の1つ上の成分が1になっている行列でもn乗ができるから]~という「願いのレベル」で未知数 を求めていることと同じになる.

【解き方③のまとめ】 となるベクトル を2つの列ベクトルとして,それらを束にして行列にしたもの は,元の行列 をジョルダン標準形に変換する正則な変換行列になる.すなわち が成り立つ. 実際に解いてみると・・・ 行列 の固有値を求めると (重解) そこで,次の方程式を解いて, を求める. (1)より したがって, を満たすベクトル(ただし,零ベクトルでないもの)は固有ベクトル. そこで, とする. 次に(2)により したがって, を満たすベクトル(ただし,零ベクトルでないもの)は解のベクトル. [解き方③の2]・・・別の解説 線形代数の教科書,参考書によっては,次のように解説される場合がある. はじめに,零ベクトルでない(かつ固有ベクトル と平行でない)「任意のベクトル 」を選ぶ.次に(2)式によって を求めたら,「 は必ず(1)を満たす」ので,これら の組を解とするのである. …(1') …(2') 前の解説と(1')(2')の式は同じであるが,「 は任意のベクトルでよい」「(2')で求めた「 は必ず(1')を満たす」という所が,前の解説と違うように聞こえるが・・・実際に任意のベクトル を代入してみると,次のようになる. とおくと はAの固有ベクトルになっており,(1)を満たす. この場合,任意のベクトルは固有ベクトル の倍率 を決めることだけに使われている. 例えば,任意のベクトルを とすると, となって が得られる. 初め慣れるまでは,考え方が難しいが,慣れたら単純作業で求められるようになる. 【例題2. 2】 次の行列のジョルダン標準形を求めて, を計算してください. のとき,固有ベクトルは よって,1つの固有ベクトルは (解き方①) このベクトル と1次独立なベクトル を適当に選び となれば,対角化はできなくても,それに準ずる上三角化ができる. ゆえに, ・・・(**) 例えば1つの解として とすると, ,正則行列 , ,ジョルダン標準形 に対して となるから …(答) 前述において,(解き方①)で示した答案は,(**)を満たす他のベクトルを使っても,同じ結果が得られる. (解き方②) となって,結果は等しくなる. (解き方③) 以下は(解き方①)(解き方②)と同様になる. (解き方③の2) 例えば とおくと, となり これを気長に計算すると,上記(解き方①)(解き方②)の結果と一致する.

2019年5月6日 14分6秒 スポンサードリンク こんにちは! ももやまです!

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