脳幹梗塞と小脳梗塞の急性期治療
脳梗塞が起こった直後を急性期と言います。脳幹梗塞では、急性期の治療の目的はまず 救命 です。後遺症を最小限に抑える目的もあります。
脳幹は脳の中でも生命の中枢を担う部分です。脳幹梗塞が起こるとすぐにも命に関わります。 できるだけ早く医療機関で治療 することが大切です。
まず行われる主な治療に次のものがあります。
【脳幹梗塞と小脳梗塞の急性期治療】
血管の詰まりを解消し、再発を防ぐ治療
血栓 回収
血栓溶解療法 (rt-PAなど)
抗凝固療法(アルガトロバン、ヘパリンなど)
抗 血小板 療法(アスピリン、クロピドグレル、オザグレルなど)
脳保護療法(エダラボンなど)
悪化を防ぐ治療
脳浮腫 の改善(マンニトール、グリセロールなど)
手術(開頭外減圧療法)
rt-PAは 発症 から4. 5時間以内 にしか使うことができません。このため脳梗塞の発症に一刻も早く気付いて治療を始めることが重要です。
詳しくは、「 脳梗塞の手術とは?脳梗塞急性期のカテーテル治療、rt-PA、外減圧術などを解説 」で説明しています。
関連記事: 脳梗塞再発予防のための抗凝固薬、ダビガトランの効果 (参照文献: Lancet Neurol. 2010 Dec )
関連記事: 日本発の薬、アルガトロバンで脳梗塞発症後48時間以内に治療 (参照文献: Semin Thromb Hemost. 1997 )
関連記事: 脳保護療法の効果、脳梗塞発症後72時間以内のエダラボンが有効 (参照文献: Cerebrovasc Dis. 半身不随は治るのか?不安が募るあなたへの処方箋 | mamotte. 2003 )
関連記事: 脳梗塞の発症後4. 5時間以内のrt-PA治療の効果 (参照文献: N Engl J Med. 2008 Sep 25 )
4. 脳幹梗塞・小脳梗塞の後遺症と回復の見込み(予後)
脳幹梗塞や小脳梗塞で現れやすい後遺症に以下のものがあります。
特徴的な後遺症
運動麻痺
感覚麻痺
嚥下障害 (飲み込みが難しくなる)
排尿障害 (尿がうまく出せない)
視覚障害
脳梗塞一般にある後遺症
高次脳機能障害
精神障害
それぞれの症状について詳しくは「 脳梗塞の後遺症とは? 」で説明しているので、参考にしてください。
脳梗塞から回復できるのか
脳梗塞から回復できる見込み( 予後 )は以下の要因に影響されます。
脳梗塞の重症度
障害された部分
年齢
ほかの持病
リハビリによって症状が劇的に回復する人もいます。一方で、重い後遺症が残る人や死亡に至る人もいます。脳梗塞の後遺症や予後は一人ひとりの個人差が大きいと言えます。
5.
- 半身不随は治るのか?不安が募るあなたへの処方箋 | mamotte
- 【なんてったってリハビリ!】障害が残っても「代償手段」で補える | 東スポのヘルスに関するニュースを掲載
- 高次脳機能障害について|脳梗塞リハビリサポートセンター越谷|脳梗塞・脳出血の後遺症改善
半身不随は治るのか?不安が募るあなたへの処方箋 | Mamotte
一過性脳虚血発作とは、一時的に脳の血流が悪くなり片側の手足に力が入らなくなったり、しびれやまひなどの症状がみられたりします。その症状は数分から数時間で完全に消失してしまうため、そのまま見過ごされたり、放置されてしまうことが多くあります。しかし、一過性脳虚血発作は脳梗塞の警告サインです。
症状が消えてしまうのは、脳の血管内に血栓ができて詰まるものの自然に溶けて血流が再開したということです。これがそのまま詰まってしまうと脳の細胞が死滅し脳梗塞になります。一過性脳虚血発作は前触れの状態になるので、早期発見、早期受診が大切です。とくに発症して48時間以内に脳梗塞になることが多いので「気のせい」と安心せずに受診につなげましょう。
できるだけ早く専門病院の受診がおすすめ! 脳梗塞の症状は、突発的に起こることが多くあります。その症状は様々ですが、まずは一刻も早く救急車を呼び、適切な治療を受けることが最優先されます。血流が途絶えている間は、脳に必要な酸素や栄養が行き届きません。するとその先の脳の組織が死んでしまうので、できるだけ早期に血流を再開させる治療が必要になります。
脳梗塞は発症からの時間が重要! 脳梗塞は時間が勝負とも言われていますが、それは発症からの時間で治療方法に違いが出てしまい、その後の経過を左右しかねないからです。また、救急車が到着するまでの間は、頭や首をなるべく動かさないよう安全な場所を確保し、安静を保ちます。意識状態を確認するために名前を呼んだり、声をかけたり反応を伺います。その際、体を大きくゆすったり、叩いたりするなど体をむやみに動かさないようにしましょう。
初期段階では『血栓を溶かす薬』が有効! 治療法は脳梗塞の種類によって異なりますが、発症直後から4. 【なんてったってリハビリ!】障害が残っても「代償手段」で補える | 東スポのヘルスに関するニュースを掲載. 5時間以内であれば血栓を溶かす薬(血栓溶解薬t-PA)が使用できます。脳梗塞が発症して初期段階で血流が元に戻ることにより、症状の改善が期待されています。48時間以内であれば血が固まるのを抑制する抗凝固薬や、血をサラサラにする抗血小板薬を投与します。ほかにも血管内を直接治療する方法があります。
血栓をつくらないことが大切! 血栓溶解薬が使用できなかったり、効果が出なかったりした場合では血管内にカテーテルを挿入して詰まっている血栓の固まりを削ったり、吸引したりして血流を再開させる血管内治療があります。
脳梗塞の再発を予防するためには、血栓をつくらないことが大切です。そのために抗血栓薬の服用を中心に治療を続けることが多くあります。脳梗塞の種類にもよりますが、薬物治療で改善が見られない場合は脳の血流をスムーズにするための手術が行われます。
脳梗塞や脳出血などを疑い、救急受診するためのスローガン!
【なんてったってリハビリ!】障害が残っても「代償手段」で補える | 東スポのヘルスに関するニュースを掲載
NHKハートネット 福祉情報総合サイト
高次脳機能障害について|脳梗塞リハビリサポートセンター越谷|脳梗塞・脳出血の後遺症改善
更新日 2021年3月23日
においが分からない原因は?
取材/熊谷わこ
2020. 09. 18
脳梗塞(こうそく)や脳出血などの脳血管障害が原因で起こる「血管性認知症」は、アルツハイマー型認知症に次いで患者数が多い認知症です。男性に多く、症状が出やすい年齢は60歳以上ですが、40代50代の働き盛りに発症することもあります。特効薬はなく完全に治すことはできませんが、原因がはっきりしているだけに予防が可能な認知症です。血管性認知症について、中村病院神経内科部長の北村伸医師に詳しく解説していただきました。
※下線部をクリックすると、各項目の先頭へ移動します
・ 血管性認知症とは 特徴と原因 ・ 症状・進行 ・ 機能テスト・診断 ・ 診療科(何科に行くのがいい?)
新型コロナウイルス感染症の後遺症が注目されています。 新型コロナに感染した後に、倦怠感や胸痛、脱毛、記憶障害など様々な症状が持続することが報告されています。 新型コロナの後遺症はどれくらいの頻度で起こり、どのような症状があるのでしょうか? 新型コロナの一般的な回復過程は? 流行当初の中国からのデータ では、新型コロナウイルス感染症は8割が軽症、約14%が中等症(酸素投与・入院が必要)、約5%が重症(人工呼吸管理など集中治療が必要)とされます。 そして 中国からの報告 では、持病や年齢によってばらつきはあるものの、軽症では約2週間、中等症・重症では約3〜6週間くらいで回復していくとも言われていました。 しかし、 アメリカの新型コロナ患者350人を対象とした調査 では、診断後14から21日までに元の健康状態に戻った人は軽症患者の64%と入院(中等症以上)患者の39%であったとされ、中国で言われていたよりも回復には時間がかかるようです。 どうやら新型コロナ患者では一定の割合で完全には回復せず、症状が続くことも分かってきました。 新型コロナの後遺症で頻度が高い症状は? 新型コロナから回復した後も「体がだるい」「胸が痛い」「息苦しい」「動悸がする」などといった慢性症状に悩まされている患者さんがいらっしゃいます。 この新型コロナ罹患後の亜急性〜慢性に続く症状についても知見が揃ってきました。 2月下旬から3月にかけて大規模な流行がみられた イタリアから新型コロナの後遺症(コロナ後症候群)に関する143人の報告 が出ました。 急性期と亜急性期〜慢性期の新型コロナ患者の症状の頻度(doi:10. 高次脳機能障害について|脳梗塞リハビリサポートセンター越谷|脳梗塞・脳出血の後遺症改善. 1001/jama. 2020. 12603)日本語は筆者 これによると、新型コロナから回復した後(発症から平均2ヶ月後)も87.