公認心理師と臨床心理士では、資格取得までかかる時間や履修すべき科目が異なります。臨床心理士は、学部での分野には制限がなく「指定大学院」を出ていれば受験資格が得られます。しかし公認心理師は心理系学部において文部科学省と厚生労働省により定められたカリキュラムを履修した後、公認心理師対応カリキュラムを大学院において履修し修了する、または2年以上の実務経験を積むことによって受験資格を得ることが出来ます。正規カリキュラムでは最低でも6年必要ということになります。学部での要件を満たす必要はありますが、両者を同時に取得可能となるカリキュラムを用意している大学院もあります。 臨床心理士の資格を取ったあと、心理職に就かずにしばらくたっています。公認心理師の国家試験を受験できますか? 法律施行日(2017年9月15日)からさかのぼって5年以内に心理職に就いていた経歴があり、かつ施行日から5年後(2022年9月15日)までに通算で5年間の心理職についていれば、現任者に対する経過措置が適用され、国家試験の受験ができます。あるいは、出身の臨床心理士指定大学院での取得単位が、経過措置カリキュラムに読み替え可能であれば、現任者に対する経過措置ではなく、大学院修了生に対する経過措置が適用され、国家試験を受験することができます。 公認心理師の国家試験はいつから実施されるのですか? 第1回は平成30年12月までに実施される予定ですが、まだ決まっていません。なお第2回以降の試験実施時期は今後検討するとされています。試験は年に1回の実施が予定されています。 公認心理師の国家試験はどんな形式ですか? 公式には、出題科目は特に定めず、「公認心理師として具有すべき知識及び技能」について出題するとされています。試験の方法は全問マークシート方式で、1日間で実施するものとされており、150~200 問程度を出題、実施時間としては、合計300分程度を上限とするとされています。 公認心理師の国家試験の内容はどのようなものですか? 公認心理師試験はまだ第一回目の試験が行われていないため、その内容を推測することは難しいです。しかし、現任者講習の内容や正規カリキュラムから推測すると、臨床心理士の資格試験以上に基礎心理学や精神医学の問題が多くなりそうです。あくまでも推測の域を出ないのでご留意ください。 公認心理師に対応するカリキュラムにはどういったものがあるのでしょうか?

現時点において、大きく正規カリキュラムと経過措置の2つのルートが存在します。正規カリキュラムとは、法施行以後に大学または大学院に入学した方を対象としたもので、2018年4月よりスタートする公認心理師を養成するためのカリキュラムのことを指します。一方で、経過措置とは、法施行以前に大学または大学院に入学した方を対象としたもので、正規のものとは別の教育をこれまでに受けた方やこれまで心理の仕事をしている方が正規のルートを通ることなく公認心理師の受験資格を得るルートのことを指します。 公認心理師になるための経過措置にはどのようなものがありますか? 経過措置には、現学部生・卒業生、現大学院生・修了生、現任者によって異なるルートが用意されています。それらは正規カリキュラムを修了することに比べ、要件が緩和されているのが特徴です。 現学部生・卒業生が公認心理師になるためにはどうすればいいですか? 施行日前に大学(学部)に入学済みまたは卒業済みの方は、経過措置の対象となる可能性があります。そのためには大学(学部)において経過措置のために定められた科目を修め、卒業をすることが必要となります。その後は公認心理師の正規カリキュラムに対応した大学院の修了、または2年間の実務経験を通して、公認心理師試験を受験する資格を得ることができます.現在在籍している学部では経過措置のカリキュラムを履修すれば大丈夫ですが、今後入学する大学院では正規のカリキュラムを履修する必要があるので注意してください(学部:経過措置カリキュラム→大学院:正規カリキュラム)。 現大学院生・修了生が公認心理師になるためにはどうすればいいですか? 施行日前に大学院に入学済みまたは修了済みの方は、経過措置の対象となる可能性があります。そのためには、大学院において経過措置のために定められた科目を修め、課程を修了する必要があります。ここでは学部時代の分野や履修状況は考慮されません。あくまでも大学院において履修するように定められている要件を満たすかどうかがポイントとなります。 現任者が受験できると聞きました。現任者とはどういう人たちですか? 以下のいずれかの業務を行った期間が、週1日以上で5年以上あり、定められている講習会を受講することで受験資格を得ることができるとされています。 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること。 心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。 心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。 しかし、これは5年の経過措置の対応期間のうちに受験できる人たちの条件ですから、今から臨床心理士になって、心理職を5年間続けたとしても、経過措置対応期間を過ぎてしまいますので、公認心理師の受験資格を得ることはできません。 公認心理師と臨床心理士はなり方に違いがありますか?

法律上経過措置の対象となるかどうかがカギとなります。経過措置の対象となるには、法律施行日(2017年9月15日)に大学に入学済みである必要があります。しかしここでいう「入学」が1年次からの入学を指すのか編入学も含まれるのかは明示されていません。これは編入学も入学として扱われれば経過措置の対象とはならないことを意味します。いずれとなるかは判断が難しいところですが、受験資格が得られないものと考えておくのが間違いないかと思います。 公認心理師対応大学院で必要なカリキュラムを履修した後、心理系学部に入りなおすことで国家試験の受験資格が得られますか? 厚生労働省HPによると、大学で必要な科目をおさめたのちに大学院で必要な科目をおさめる必要がある、とされています。したがって逆の順番では受験資格を得ることはできません。 公認心理師国家試験に必要な科目を、科目履修で補うことはできますか? 厚生労働省HPによると、大学・大学院で必要な科目をおさめて卒業・修了する、ことが条件となっていますので、課程に在籍せず科目等履修や、必要な科目を履修した後中退する場合は受験資格が得られません。 心理系学部在学生ですが、公認心理師対応大学院には入れますか? 現在在籍中ということであれば、経過措置の対象者になります。学部における経過措置カリキュラムの実施は大学ごとにまちまちであることが予想されますが、心理系学部を卒業予定なのであれば、公認心理師対応大学院を受験できる可能性は高いでしょう。詳細はご自身の在籍されている大学に問い合わせてください。 2018年度時点で公認心理師対応のカリキュラムを用意している大学院は少ないように思います。これまでの臨床心理士指定大学院の受験よりも倍率が高くなったりしませんか? 現時点(2017年11月)で正規のカリキュラムに対応すると表明している大学院の数は非常に少ないです。一方で学部で経過措置カリキュラムを履修する方の数は多くなることが考えられます。そのため公認心理師大学院は少ない、かつ受験できる方が多い、という状況が続くことが予想され、これまでの臨床心理士指定大学院以上に公認心理師大学院の受験は厳しくなると言えるでしょう。 どの大学院が公認心理師カリキュラムに対応しているかわかりません? 現時点(2017年11月)で公認心理師に対応すると正式に表明している大学院は決して多くありません。関東圏内の大学院については、リストをご確認ください。 これから大学院に進学し、公認心理師と臨床心理士の両方の資格を取りたいと思っています。どの大学院に進めばよいのでしょうか?

現在のところ公認心理師と臨床心理士の両方のカリキュラムに対応することを正式に表明している大学院は決して多くはありません。順次対応予定としている大学院もありますから、詳細は各大学院に問い合わせるのがよいと思います。また、中央ゼミナールで作成している公認心理師対応大学院リストを参考にするのもよいかと思います。

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