よく、「医療保険で『先進医療特約』があると安心ですよ」といった話をお聞きになるかと思います。しかし、「先進医療」がそもそも何か、皆さんご存じですか? 先進医療についての正しい知識を持つことで、真に必要なときに「先進医療特約」が活躍してくれます。本記事では先進医療とは何かを解説したうえで、「先進医療特約」のポイントを解説します。 執筆者: 執筆者: 金澤佳也 (かなざわ けいや) 2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP、2級DCプランナー 宅地建物取引士、証券外務員1種、2種メンタルヘルスマネジメント検定 「安心して100年暮らせる」ためのアドバイス。 社会保障制度を踏まえたうえでiDeCo、NISA、保険の使い方のアドバイスを得意とする。 先進医療とは? 先進医療とは、健康保険法などの一部を改正する法律(平成18年法律第83号)において、「厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養その他の療養であって、保険給付の対象とすべきものであるか否かについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養」と定義されています。※1 法律の条文なので分かりにくいですね。つまり、どういうことかというと、 「新しい治療方法であるため、治療の有効性や安全性などを調べて、健康保険の適用にするか否かを評価する必要がある」 ということです。 その治療法が、多くの人に効果があるかを判断するには、症例数を集めて確かめなければいけません。「先進医療」として患者さんに治療を受けてもらい、有効性や安全性が十分に認められた場合は、健康保険の範囲内に切り替えられたりします。 先進医療は厚生労働大臣が定める「評価療養」のひとつとされていて、医療機関が実施するにはさまざまな条件を満たす必要があります。そのため、どこの医療機関でも先進医療が受けられるわけではありません。 先進医療の何を知っておいたほうがいいの?

先進医療特約は本当に必要か?|ナビナビキャッシング

次に、「先進医療」を受けるには、どのくらいの費用がかかるのかを確認しましょう。 まず、先進医療を受ける場合、通常のガイドラインの範囲内の治療に関しては健康保険が適用され、その人の加入している健康保険に応じた負担割合になります。そして、ガイドラインの範囲外の治療に関しては、全額自己負担となっています。 具体的にどれくらいの費用がかかるのか心配になりますが、「中央社会保険医療協議会」が、先進医療の治療実績※5、各先進医療の具体的な費用を掲載しています。 平成28年度の実績(100種類、全患者数2万4785人)では、最も高いもので約477万円、最も安いものでは約3600円と、非常に幅があります。 10万円以上、50万円以上、100万円以上で件数を抜き出すと、下図のとおりです。半数以上は10万円を超えていることが分かります。(なお、100種類中20種はその期間中1件も実施がなかったため、費用の記載がないものもあります) 先進医療の利用可能性 先の実績報告には、治療の実施件数も集計されています。平成28年度実績では延べ2万4780件でした。日本の人口が約1. 2億人であることからすると、件数は非常に少ないと思います。 しかし、先も述べたように先進医療は「患者が希望」しなければ受けることはできません。先進医療が、自分の症状に効く可能性があると知っていることが非常に大切です。 見方を変えれば、まだまだ先進医療があることを知らない人が多いため、実施件数が少なくないと考えることもできます。 ですから、一度は厚労省が公開している「先進利用の各技術の概要」※3にざっと目を通してみてください。現在指定されている先進医療のうち、70%程度がガンの治療法であること。 また、白内障の治療「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」の実施件数が約1万1000件と突出していることが分かると思います。もしご自身や身近に該当する方がいるのでしたら、ひとつの選択肢になるかもしれません。 先進医療特約の有用性 ここまで、先進医療は何か? 費用はどれくらいか?

筆者の考える先進医療特約のメリットは以下の3点です。 先進医療特約の特約保険料はかなり手ごろ 治療の選択肢が広がる 一時的な自己負担すら減らすことができる 詳しく見ていきましょう。 メリット1. 先進医療特約の特約保険料はかなり手ごろ 商品によっても異なりますが、月払いの契約で50円~300円くらいだと思われます。 月々の保険料が安い割に、先進医療という高額な技術料がかかる治療を受けることができる、と言うことは、イマドキの言葉でいえば「コスパが良い」と言えますよね。 メリット2. 治療の選択肢が広がる 例えば、万が一、がんに罹ってしまったと想像してください。 がんの治療法はさまざまですし、先進医療以外の治療方法を選ぶこともあるでしょう。 しかし、主治医と相談の結果、先進医療がベストな治療方法という結論に至ったら、どうでしょうか? 先述の神奈川県立がんセンターの先進医療は350万円です。もし、先進医療特約がなければ、350万円がまるまる自己負担になってしまうことでしょう。 この高額な自己負担に耐えることができないのであれば、ベストな治療方法を諦めることになってしまうのではないでしょうか? メリット3. 一時的な自己負担すら減らすことができる 保険はそもそも、入院や治療にかかった費用などを一度は病院の窓口にお支払いを行い、その支払った証拠の領収書や診断書等を基に保険会社に宛て保険金を請求し、保険会社から保険金を受け取る流れです。 繰り返し申し上げておりますが、先進医療にかかる自己負担の額は、とにかく高い。先進医療特約で、その自己負担の額をカバーすることができるとしても、一度は高額な自己負担の額を病院の窓口に払わなくてはならないとなると、かなり負担になってしまいます。 先述の神奈川県立がんセンターなら、350万円です。 先進医療特約の全てではありませんし、先進医療を行っている医療機関の全てが対象と言うことではないのですが、先進医療特約の中には、保険会社から医療機関に宛てて、患者の技術料の自己負担額を直接払う仕組みが整っているものもあります。 と言うことは、先進医療の高額な自己負担額を用意しなくても大丈夫と言うことになります。 なお、保険会社から医療機関に自己負担額を直接払う仕組みが整っている先進医療特約なのか否かは、保険会社のホームページに載っていない場合もあるようです。 保険の担当者に相談することがおすすめです。 先進医療にも公的なサポートがあるってご存知でしょうか?

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